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岐阜薬科大学では、40科目にわたる授業の中で、ヒューマニズムに関する事項が具体的に取り上げられています。それらは相互に密接に関連しつつ、対人関係と倫理医薬品と倫理研究と倫理環境と倫理の大きな4本の柱で構成されています。これらを総合したヒューマニズム教育は、研究室及び医療実務実習におけるマンツーマンの指導により行われています。

岐阜薬科大学において全学年を通じて実施されるヒューマニズム教育の4本の柱(対人関係と倫理、医薬品と倫理、研究と倫理、環境と倫理)と総合ヒューマニズム教育の内容と授業科目は、以下のとおりです。


対人関係と倫理

薬中国福彩网の学生には、将来生命に関わる職業人となることを自覚し、それにふさわしい行動?態度をとることができるようになるために、人への共感的態度を身につけ、信頼関係を醸成し、さらに生涯にわたってそれらを向上させる習慣を身につけることが求められています。そのためには、まず、ヒューマニズム(人間性?態度?人間関係?社会における倫理)についての基本的概念を理解し、良好な人間関係を築くためのコミュニケーション技術を学び、医療の担い手の一員である薬学専門家として、生命の尊さを認識し、生涯にわたって医療を通して社会に貢献できるようになるために必要なこころ構えを身につけます。また、医療現場における実習体験を通して、患者様、同僚、地域社会との信頼関係を確立できるようになるために、相手の心理、立場、環境を理解するための基本的知識、技能、態度を身につけ、医療現場でのファーマシューティカルケアの実践へとつなげていきます。

関連授業科目

薬学概論 早期体験実習 情報処理基礎実習 コミュニケーション論 文学 心理学 法学 生命倫理学 哲学 社会学 医療心理学 医療コミュニケーション 臨床医学

医薬品と倫理

開発や承認審査段階だけでなく、医薬品が医療の場に提供された後の安全対策、医療過誤をいかに防止するかが、近年とくに重要性を増しています。医薬品を取り扱う者のとるべき行動には、倫理と不可分の関係にある公益性と社会性が求められています。学生は、医療過誤?医療事故回避、安全性情報の提供、薬害事例の原因とその社会的背景、治験の歴史と人権などについて学び、根底にヒューマニズムへの共感がなければ実践しがたい医薬品の適正使用のために必要な倫理観を身につけます。

関連授業科目

薬学史 医療制度論 実践社会薬学 医療経済論 製剤学Ⅰ 医薬品情報学 医薬品安全性学 調剤学 薬物動態学 臨床薬剤学ⅠⅡ 治験薬学

研究と倫理

学術研究が公共の福祉の増進に寄与し、継続的に進展するためには、研究の自由が保障されなければなりませんが、それにともなって己を律する倫理に基づいた行動が強く求められます。このような背景から、岐阜薬科大学では、大学で研究に従事する全ての者が遵守すべき事項として「岐阜薬科大学研究行動規範」を定めています。これを教員が折に触れて言及し自ら実践することにより、学生への啓発が全学的なレベルで浸透しています。特に、以下の科目では直接的あるいは具体的な事例の説明が行われ、学生は研究にともなう倫理的諸問題への理解を深め、研究において取るべき倫理的観点からの総体的な行動について学びます。

関連授業科目

薬学概論 基礎創薬学 生命倫理学 分子生物学 先端医療学 創薬学Ⅰ 薬事法規 医薬品開発学 特別実習

環境と倫理

今地球と人間に何がおこっているのか、その実態と課題を正しく理解するために、地球環境問題を抱えるに至っ た経緯と過去の環境問題の歴史を振り返り、これをどう解決してきたか、また環境問題の原因、影響、対策等について学びます。環境問題の根本には、人類が生態系の一員として究極的に何を守るのか、という問いがあり、それは正に人間の倫理的なあり方についての問いといってよいでしょう。環境問題解決に向けて、人間としてとるべき態度?行動と、技術者として貢献できるためのグリーンテクノロジーに基づいた知識?技術を修得します。

関連授業科目

地球環境論 生命倫理学 基礎創薬学 危険物化学 応用天然物化学 公衆衛生学 衛生化学ⅠⅡ 薬品合成化学 創薬製剤学

総合ヒューマニズム教育

学生は、各研究室に配属された後、特別実習を通して研究心、研究倫理、および社会性をさらに向上させます。 担当教員によるマンツーマンの指導のもと、専門的知識、問題点を自ら考え解決する能力とともに、特別実習における様々な体験を通して豊かな人間性を身につ けます。ここで得た経験は、リーダーシップを有する独創性豊かな高度専門職業人への道に繋がります。また、病院と薬局での実務実習においては、患者様や他 の医療人と直に接します。この体験により、単に「知る」ことから実感として「わかる」ことへのステップアップを通して、より豊かな人間性と倫理観を身につ けます。

このように、積極的に教育に組み入れられた人と人との直接的な触れ合いにより、学生は総合的にヒューマニズムを理解することができ、人と環境にやさしい薬学-グリーンファーマシー-の理念を実現することができます。