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本研究は、実践薬学大講座 病院薬学研究室により実施され、研究成果は、すべての脊椎動物種における松果体とそのホルモン生成物、主にメラトニンに関する研究をカバーする査読付きの科学ジャーナルである「Journal of Pineal Research」(掲載時Impact Factor: 8.3)に掲載されました。

研究背景と研究成果のまとめ

パーキンソン病は世界中で数百万人が罹患しており、病気の予防と治療に大きな進展がなければ、その罹患率と有病率は2030年までに30%以上増加する可能性があります。近年、パーキンソン病の新規治療戦略として、睡眠と概日システムを標的とすることに注目されています。

本研究では、FDA(米国食品医薬品局)によって集積された個別症例安全性報告のデータベース(FAERS)を用いて、メラトニン受容体作動薬とパーキンソン病との関連性について調査しました。

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メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン, タシメルテオン*, アゴメラチン)とパーキンソン病との関連は、報告オッズ比(ROR)によって評価された。FAERSに登録された全患者のデータを解析したところ、ラメルテオン(ROR: 0.66, 95%信頼区間;95%CI:0.51-0.84)とタシメルテオン(ROR: 0.49, 95%CI: 0.38-0.62)はパーキンソン病と負の相関を示しました。逆に、アゴメラチンだけがパーキンソン病と正の相関を示しました(ROR: 2.63、95%CI: 2.04-3.40)。男性、女性それぞれ層別解析も実施しましたが、同様な関連性を示しました。

*タシメルテオンは日本未発売(2024年8月現在)

黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの進行性喪失、α-シヌクレイン(α-syn)からなるレビー小体およびレビー神経突起の形成は、パーキンソン病の主要な病理学的特徴で、ドーパミンニューロンにおけるα-synの蓄積はアポトーシスを誘導し、最終的にパーキンソン病の症状を引き起こします。

先行研究の動物実験では、メラトニン受容体作動薬が、MT1受容体の活性化やPARP阻害により、α-synの凝集を抑制することによって抗パーキンソン作用を示す可能性や、アゴメラチンがPARP1の発現を変化することなく、カスパーゼ3を発現し、アポトーシス関連因子の誘導することにより、パーキンソン症状を示す可能性が示唆されていました。

本研究では、個別症例安全性報告を用いた、ヒトを対象にメラトニン受容体作動薬とパーキンソン病との関連性を評価した初めての報告です。本研究で示されたメラトニン受容体作動薬とパーキンソン病との関連性については、パーキンソン病の新規治療戦略につながることが期待されます。

論文情報

研究室HP

病院薬学研究室:https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/byoyaku/