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本研究は、地域医療薬学寄附講座および実践薬学大講座 病院薬学研究室により実施され、研究成果は、世界中のすべての医療および公衆衛生専門家のための「公衆衛生への備えと災害対応」に焦点を当てた、初の包括的で権威あるジャーナルである「Disaster Medicine and Public Health Preparedness」に掲載されました。

研究背景と研究成果のまとめ

近年、日本は相次ぐ災害に見舞われ、迫り来る南海トラフ地震の脅威も受けています。災害時に医薬品を円滑かつ安定的に供給するためには、あらかじめ医薬品を準備しておくことが重要です。院外処方率が79.1%近くと高まる中、薬局は、災害時に医薬品を安定的に供給する重要な役割を担っています。しかし、薬剤師の災害対策に対する意識や薬の備蓄状況、薬局での備蓄についての十分な理解が求められています。特に、南海トラフを震源地とする巨大地震の脅威が迫っている岐阜市内の薬局における災害時医薬品の備蓄状況は、まだ十分に把握できていません。

そこで本研究では、東海北陸地方保健福祉局のホームページに掲載されている岐阜市286薬局における災害用医薬品の備蓄状況と災害用医薬品の入手可能性について調査いたしました。

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災害時に使用する医薬品の平均備蓄率は58.4%でした。解熱鎮痛薬と抗炎症薬の備蓄率は89.5%で、多くの薬局に在庫がありました。次に備蓄率が最も高い薬剤(78.9%)は、抗ヒスタミン薬、抗生物質、抗不安薬、風邪薬でした。

災害時に必要な医薬品の種類は、災害発生後3日間、外部からの支援が期待される3日目以降、避難所で長期間生活する慢性期など、災害のフェーズによって異なります。 今回の調査では、震災後最初の3日間に必要と判断された医薬品について、60%以上の薬局で衛生用品、外用スキンケア用品、解熱鎮痛剤、抗生物質製剤、消毒剤の5つの医薬品が備蓄されていました。また、震災3日目以降に必要となる薬のうち、うがい薬、胃薬、胃消化薬、抗不安薬、消化性潰瘍、腸薬、風邪薬、咳止め薬、下剤、点眼薬など、ほとんどの薬局で必要となる薬が10種類揃っていました。

災害時の医薬品の平均備蓄率は、個人経営の調剤薬局が78.0%、チェーン調剤薬局が38.8%、チェーンドラッグストアが75.6%でした。また、個人経営の薬局がチェーン薬局よりも備蓄に意欲的でした。 

一方、薬剤師の半数以上が公的備蓄を正確に理解しておらず、自治体と薬局の連携や情報開示が不十分である可能性が示唆されました。

岐阜市の薬局のでは、東日本大震災の教訓を踏まえ、一定の備蓄が確立されていますが、公的機関からの支援が必要であることが確認されました。本研究の結果を踏まえると、医薬品の備蓄が一つの薬局だけで増えるのではなく、地域全体で増えていくよう、公的機関と薬局、薬局間の連携により、公的機関が主導して備蓄を増やすための災害備蓄のあり方を考えることが有効と考えられました。

※岐阜薬科大学では、岐阜の地元地域への貢献活動とともに、研究成果の地元地域への還元を目指す取り組みを実施しています。

論文情報

研究室HP

地域医療薬学寄付講座:https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/chp/

実践薬学大講座 病院薬学研究室:https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/byoyaku/