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OB/OGのお仕事紹介(大学)

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平成16年度修了 大阪大学大学院薬学研究科准教授

井川貴詞 先生

大阪大学大学院薬学研究科准教授の井川貴詞と申します。私は、2005年3月に岐阜薬科大学薬品化学教室で学位を頂いた後、二年間MIT(マサチューセッツ工科大学)のBuchwald研究室にポスドクとして留学、2007年に静岡県立大学薬中国福彩网に助教として赴任、2013年に大阪大学大学院薬学研究科に異動し、2020年3月現在まで仕事を続けさせて頂いています。私の仕事は、大学教員ということで、日々、研究と教育に励んでいます。


大阪大学大学院薬学研究科は、2019年度入学の学生より日本の薬系国立大学では初めて全6年制に舵を切り、更なる研究力向上を図ろうとしています。薬中国福彩网ですので、薬剤師教育はもちろん行うのですが、本研究科では優秀な薬剤師博士(博士号を取得した薬剤師をPharmacist-Scientistと定義)を育成することに集中して教育を進める決断をしました。

奇しくも、母校の岐阜薬科大学は阪大よりも1年早く2018年度から全6年制にシフトしており、我々は共に全国の薬中国福彩网から大変注目されています。岐薬と阪大の取り組みの結果次第で、日本の薬学教育が大きく変わる可能性さえあります。この全6年制の成功には学生の皆様方の協力が大変重要で、まずは学生時代に一生懸命に研究して将来は優秀なPharmacist-Scientistになってください。共に頑張っていきましょう。


以下に、私の経験を踏まえた学生さんへのメッセージ等を書かせて頂きました、興味のあるところをお読みいただければ幸いです。

 

【学生時代について】


学生時代、私の一日は午前7時半からのソフトテニスの朝練に始まり、午前9時には汗だくのTシャツを脱ぎ捨てて、そのまま白衣を着て実験をスタートしていました(笑)。そして、実験の合間に部活の練習へ行き、時には強い社会人選手と練習するためにクラブチームのナイター練習に参加して、練習が終わったら研究室へ戻って実験をしていました。靭帯を切ってしまうなどの大けがを負って先生方にご迷惑をおかけしたこともありましたが、その時、培った体力と精神力は現在に生きていると思います。研究と部活を両立させて頑張らせて頂けるのも薬品化学の素晴らしい伝統ですね。

ちなみに、私が薬品化学教室へ入室したのは、当時、薬品化学に所属していたソフトテニス部の先輩に『薬品に入ったら実験しながらでもテニスができるぞ』と誘われたからです(笑)。皆さんも学生時代に『必死になって頑張った』と言えることを一つでも多く持てるときっと将来の強みになると思います。何事も一生懸命に頑張りましょう。

 

【留学について】


私の就職活動は、リクナビにメールアドレスを登録する程度で終了し、博士号取得後は留学しようと早めに決断しました。

佐治木先生と先輩の影響が大きかったのですが、海外のビックラボ(超有名研究室)で頑張ってみることにしました。私の留学先であるMITのBuchwald研究室では、ポスドクや学生が、教授と実験結果について対等に激しく討論することも珍しくなく、アメリカの学生や海外から集まってくるポスドクのレベルの高さを肌で感じることができました。

アメリカは移民の国という事もあり、異文化を許容するところが大変興味深く、自分から積極的に話しかければ、私のカタコト英語でも必ず丁寧に応じてくれました。一度、日本を離れて生活してみると、普通に日本に住んでいると気が付かない日本のよい面と悪い面に気が付かされます。

たった2年間のアメリカでのポスドク生活でしたが、そこで得た経験は、私のモノの見方を大きく変えてくれました。そして、海外に多くの友達ができたことは、かけがえのないものとなりました。皆さんもチャンスがあれば是非、留学してみてください。

 

【アカデミアの仕事について】


冒頭で述べたように、私は現在、大阪大学でアカデミアの職に就いています。この仕事の魅力は、何と言っても『自由な発想で、時間にとらわれることなく目いっぱい大好きな化学に浸れること』に尽きます。

もちろん、雑務とみなされる仕事が沢山あるのは事実ですが、こちらも一生懸命に取り組んでいるといつの間にか自分の為になっています。テニスで言えば、雑務は球拾いのようなもので、誰もやりたく無いけど、一生懸命に走って球拾いを続けていると気が付かないうちに足腰が鍛えられます。

もちろん、アカデミアは競争が非常に激しいのも事実で、とんでもない天才との競争に巻き込まれることもよくあります。でも、アカデミアだからこそ、そんな天才とお友達になれたりもします(笑)。企業では一生研究を続けられる人はごくわずかですが、アカデミアの世界では、大好きな研究を一生続けられます。こんな素敵な仕事は他にないと思いませんか?

現在、佐治木先生を始めとする薬品の先生方の努力の成果に他なりませんが、アカデミアの世界で活躍する薬品の卒業生が少しずつ増えている事を私も大変嬉しく思います。今後、更にアカデミアの世界に飛び込んでくる卒業生が増えてくれることを祈念しています。

 

【現在の所属研究室(赤井研)について】


私は静岡県立大学時代から現在に至るまで継続して研究室のボスである赤井周司先生(https://ja.wikipedia.org/wiki/赤井周司)と一緒に研究をさせて頂いております。赤井先生の主宰する大阪大学大学院薬学研究科の薬品製造化学分野(製造)は、本研究科の化学系研究室の中でも最も古く、歴史ある研究室として知られています。

現在の研究室は、薬学棟の1号館5階にありますが、新しいドラフトや卓上フードが完全に整備されており、化学物質特有の臭気等は殆どありません。また、各ドラフトと卓上フードは、フレームシステムという剛直な金属の構造物に完全に固定されており、たとえ大地震が起こってもラボ内で実験している学生の安全が確保される仕組みになっています。

また、LCMSなどの最新機器も整っており、国内でも類を見ない素晴らしい研究環境と言えます。近くにお越しの際は、是非、我々のラボにお立ち寄りください。


大阪大学大学院薬学研究科薬品製造化学分野(https://handai-seizo.jp/

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井川先生

2019年の研究室対抗バドミントン大会優勝記念写真

 

 

 

平成28年度修了 中部大学分子性触媒研究センター特定助教

服部倫弘 さん

私は2017年4月から、中部大学分子性触媒研究センターで特定助教をしております。

 

薬品化学研究室では佐治木教授の指導の下、不均一系触媒を使用した炭素―水素結合、炭素―炭素結合活性化及び官能基変換を主なテーマとして携わっていました。

 

中部大学は愛知県の春日井市に位置しており、7中国福彩网が入る緑豊かで広大なキャンパスです。キャンパス内は細かく整備されており、実験の小休止としてキャンパス内を散歩することは私の隠れた癒しのひと時になっています。

私が所属している分子性触媒研究センターは、山本尚教授をはじめとして事務員さんと7人の研究員で構成されています。在籍している研究員のうち、4人が海外からのポスドクの方のため、現在は海外の方が過半数を占めることも特徴の一つです。

さらに日本人研究員の方も海外ポスドクを経験しており、経験豊かな研究員に囲まれた贅沢な環境に身を置いています。

 

山本教授は主にルイス酸、ブレンステッド酸触媒の研究開発で多数の先駆的な成果を挙げておられる研究者です。週一度行われる実験報告会では研究テーマへのアプローチやまとめ方、実験手法などの細部に至る御指導頂けるため、毎回多くのことを勉強しています。

現職に就いて二年が経ちましたが、研究室内の方々とのコミュニケーションはとても貴重だと改めて実感しています。分子性触媒研究センターは研究員の入れ替わりが多く、またこれまでに複数の研究室を経験されている方が多くおられるため、様々なバックグラウンドを持った方々と議論を積む機会を多く持てます。

 

研究室にはそれぞれ異なる文化があり、配属先の研究室の文化を体験、伝聞することで新たな視点を得ることができるため大きな刺激となっています。まだまだ私自身勉強中の身ですが、現在在学している学生の皆様も機会があれば国内外問わず色んな研究室を体験して、多様な文化を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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山本研メンバー

山本研メンバー(2018年度)

中部大学

中部大学正面

中部大学

中部大学正門

ちゃとらマスコット

 

 

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岐阜薬科大学 客員共同研究員
上原記念生命科学財団 リサーチフェロー
スクリプス研究所 Prof. Phil S. BaranリサーチグループResearch Associate

 

浅井彰太 さん

私は愛知学院大学薬中国福彩网を卒業後、博士課程の学生として佐治木弘尚教授が主宰する岐阜薬科大学薬品化学研究室で、Lewis酸触媒的な骨格構築法およびリン酸エステルを水酸基活性化剤とした新規反応の開発に携わり、2017年3月に博士(薬学)の学位を取得しました。

2017年5月より上原記念生命科学財団のリサーチフェローとして米国スクリプス研究所のPhil S. Baran教授の下で新規反応開発を行っています。

 

【研究室の特徴】
世界各国の実績のあるポスドクや学生が在籍しており、ハイレベルな化学の議論できます。在籍する研究者は昼夜を問わず最先端の研究に精力的に取り組んでおり、良い刺激を受けながら研究を楽しむことができます。

 

【留学先の紹介】
スクリプス研究所には多くの著名な化学者が在籍しており、最先端の研究を行う環境が整っています。また研究所の近くには美しいビーチやゴルフ場、公園があり、研究に疲れたときのリフレッシュに最適です。

 

【学生の皆さんへ】
海外留学は、異文化に触れる格好の機会であり、その中で新たな自分に出会うことができます。自らチャンスを掴み取って、海外研究留学することをお勧めします。留学先などについて気軽に相談してください。

sasai@scripps.edu

 

後輩へ  

早いもので、私がアメリカに来てから1年6か月が経過しました。最初は、慣れない環境でストレスも多く、すべてのことが上手くいきませんでした。しかし、最近では生活?研究環境に慣れてきたためか、自分の思い通りに進められることが増えてきたと実感しています。

アメリカでは、日本では経験することがなかったであろうことを多く経験しました。基本的には、英語でのコミュニケーション力不足に起因するものばかりであり、英語力の大切さを肌で感じました。海外留学を考えている方は、英語力を少しでも高めておいてください。特に大切な能力は、リスニング力です。相手が言っていることを聞き取ることができなければ、返答することができません。私は、中国福彩网5年次より海外留学に向けて、英語学習を継続してきましたが、研究留学当初全く英語が聞き取れないことに唖然としました。英語のために海外研究留学はハードルが高いと考えている方も少なくないと思います。しかし、英語力の問題のために海外留学をあきらめる必要はありません。苦労が増え、ストレスに押しつぶされそうになる頻度は増えるかもしれませんが、苦労しながら考えたことや困難を克服した経験は今後の人生の糧になると思います。

私自身は、自らの理想に向けて、もう少しアメリカで試行錯誤を続けたいと思っています。皆様が大きく羽ばたくための手助けが少しでもできればと考えていますので、海外研究留学等に興味がある方はお気軽にご相談ください。

今回、研究に関して触れておりませんが、機会がありましたら次の機会に書かせていただきたいと思います。ただ一つ述べておきたいことは、薬品化学研究室で学んだ研究能力や実験技術は世界でも通用するということです。みなさんも海外で試してみませんか??

 

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近畿大学薬中国福彩网医薬品化学研究室

 

前川 智弘 准教授

【自己紹介】
私は2003年4月から2008年12月までの約6年間、薬品化学研究室で助教、講師として、佐治木先生のご指導の下、有機化合物の重水素標識化研究をはじめとしたPd/Cを用いる反応の開発に携わらせていただきました。

また、そのうち1年間はアメリカ?ペンシルバニア州のペンシルバニア大学の化学科(A. B. Smith, III教授)に留学する機会をいただきました。

2009年1月より大阪大学大学院薬学研究科の分子合成化学分野(藤岡弘道教授)の特任准教授として5年間、その後、2013年の4月から近畿大学薬中国福彩网の医薬品化学研究室(三木康義教授)の准教授として着任し、2015年3月に三木先生が退官されたあと、2015年4月からPI(Principal investigator)として研究室を主催させていただいております。

 

【現在の状況】
近畿大学は皆さんご存じの近大マグロで有名な大学です。ちょうど私が異動した2013年くらいから近大マグロが有名になり始め、今では全国に名の知れ渡る大学となりました。これだけ有名になってしまうと、よい面もあれば、逆に注目を集めていろいろと大変な面もありますが、ほどよいプレッシャーの中、仕事をしています。
これまでにいくつかの大学を経験してきましたが、それぞれの大学で環境はかなり違います。たとえば前の大学では当たり前だと思っていたことが通じなかったり、逆に新しい大学では今までになかった制度があったりと、同じ大学でもこんなに違うものなのだとびっくりします。でもそのおかげでいろんな経験をすることができて、勉強になりました。


特に私立大学は国公立大学に比べて、薬剤師国家試験への力の入れ方が違い、国家試験対策を重視したカリキュラムが組まれています。その中で、近畿大学では研究室配属は3年生の10月からで、6年生の5月までは研究室で研究を行います。とはいえ、国家試験合格を目標としているので、学生さんの研究へのモチベーションはなかなか上がりません。ですので、「研究は薬剤師の仕事に通じるものがあるから頑張ってやろう!」と言って頑張ってもらっています。実際に薬剤師さんの話を聞いてみると、患者さんの病状は千差万別で、薬の処方がマニュアル通りにいかないこともしばしばだそうです。そのときにいろんな情報を元に処方内容を考えるそうですが、それは研究も同じだと思います。

研究も思ったとおりに進まないことが多く、そんなときはこれまでに得られた結果を元に次の実験を考える。本当によく似ていると思いませんか? と学生さんに言ってもなかなか分かってはもらえませんが(笑)。でも、私自身は「研究と薬剤師の仕事の本質は同じ!」と信じて、研究室の学生さんと一緒に頑張っています。

【学生さんに一言】
みなさんも今やっているのは将来のために自分を磨いているのであって、決して受け身にならず、勉強はもちろん、その他のことにも積極的に取り組んでいってください(もちろん遊びやスポーツも大事です)。

薬品化学研究室はやる気があればいろんなことができる(やらせてもらえる)環境だと思います。世の中には自分より出来る人がたくさんいますし、どれだけ頑張っても自分より優れた人は必ずいますので、現状に満足することなく、また自分で壁を作らず、高みを目指して頑張ってください。
あと、社会に出てからはコミュニケーションがきちんと図れることは大事です。そのためには飲み会(お酒が飲めなくても全然OK!みんなといっぱい話をしましょう)などの行事ごとでみんなとコミュニケーションを取ることが大事だと思います。

私も薬品で培われた「メリハリをつけて、全力で遊び、全力で研究する」の精神を大事にして、研究室ではよく飲み会を開催しています!勉強だけできても社会では通用しませんので、トータルで「出来る人」を目指して頑張ってください。

 

近畿大学薬中国福彩网医薬品化学研究室(http://www.phar.kindai.ac.jp/iyakuhin/

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山田強さん

ラボメイトと(左:山田)

岐阜薬科大学薬品化学研究室 客員共同研究員、
日本学術振興会特別研究員(PD)、
ハイデルベルク大学
Prof. Dr. A. Stephen K. Hashmiリサーチグループ 
ポスドク研究員

 

山田 強 さん

私は薬品化学研究室で佐治木先生のご指導の下、不均一系触媒を使用した様々な重水素標識反応の開発に携わり、2017年3月に博士課程の学位を取得致しました。その後2017年5月より、ポスドク?日本学術振興会特別研究員として独国ハイデルベルク大学?A. Stephen K. Hashmi教授の下で均一系金触媒を用いた反応開発を行っています。

研究室の特徴

 研究室は多い時期で約50名のメンバーが在籍する大所帯です。各メンバーがそれぞれの金に関するテーマを持って先生方とディスカッションをしながら研究を進めています。国籍も多種多様で、ドイツ、中国をはじめ、ヨーロッパ各国、ブラジル、イラン、インドなどからの学生やポスドクが在籍しており、研究のみならず異国の文化を学ぶ機会が多くあります。
私は留学してまだ2か月ですが、この短期間でも非常に多くの事を学ばせて頂いており、ドイツでの毎日を大切にしながら研究に勤しんでいます。

留学先の紹介

ハイデルベルク(Heidelberg)
ハイデルベルクはドイツの南西に位置する都市です。ハイデルベルクの旧市街地は歴史的建造物が多く現存しており、情緒溢れる街並みです。特にハイデルベルク城がこの町のシンボルとなっており、城の中にあるドイツ薬局博物館では医薬の歴史を学ぶことができます。
ハイデルベルク大学(ループレヒト?カールス大学, Ruprecht-Karls-Universität Heidelberg)

ハイデルベルク大学は1386年に創立したドイツで最も古く歴史のある大学です。ケクレ、クルチウス、ウィティッヒなど著名な化学者も在籍しておりました。私が在籍している研究室は比較的新しいキャンパスにあり、建物や設備など研究には最適な環境となっています。

 

学生の皆さんへ

留学も選択肢の一つですが、ちょっとしたことで構いません。いつもと違う新しいことにチャレンジしてはいかがでしょうか。どのような結果であれ、大事なのはその意志と行動だと思います。積極的に色々なことに挑戦しましょう。まだまだ私も勉強途中です。お互い切磋琢磨して頑張りましょう。

 

山田アドレス: id153@uni-heidelberg.de


Prof. Dr. Hashmi Lab. HP:

http://www.uni-heidelberg.de/institute/fak12/OC/hashmi/05/english/05home.htm

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ハイデルベルグの町並み ハイデルベルグの町並み
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研究施設 ハイデルベルグ大学キャンパス

 

大阪大学 生命科学研究独立アプレンティスプログラム  特任准教授 前川 智弘 先生

 私は2003年4月から2008年12月までの約6年間、岐阜薬科大学で助教、講師として佐治木先生のご指導の下、有機化合物の重水素標識化研究をはじめとしたPd/Cを用いる反応の開発に携わらせていただきました。

 また、そのうち1年間はアメリカ?ペンシルバニア州のペンシルバニア大学の化学科(A. B. Smith, III教授)に留学する機会をいただきました。

 そして2009年1月より大阪大学大学院薬学研究科の特任准教授として、同薬学研究科の藤岡弘道教授が主催されている研究室を親講座として指導を受けながら、日々研究を行っております。

現在の状況

 私は現在、大阪大学生命科学研究独立アプレンティスプログラムの特任准教授というポジションです。

アプレンティスとは「見習い」のことで、簡単に言うとテニュアトラック制の研究者になります。テニュアとは正規の職を指しますが、テニュアトラック制というのは、自立した研究者として経験を積みながら研究成果をあげ、一定期間後に行われる審査に通ればテニュアを得ることができる仕組みのことを言います。つまり、テニュアトラック制の研究者は正式なポジションではなく、任期付きの一時的なポジションになります。もし、一定期間後に成果が上げられなければ不採用となり、職を失いますので、厳しいポジションだといえます。しかし、若いうちから独立して研究できる環境を与えてもらい、さらに成果を上げることができれば正規職に就くことができる、非常に魅力的なポジションでもあります。

 私は2009年1月からこのプログラムに採用となったばかりで最近ようやく慣れてはきましたが、日々プレッシャーを感じながら、これまでに学んできたことを生かしつつ、新しいテーマの創出に向けて研究に励んでいます。

学生さんに一言

 大阪大学薬学研究科の学生さんは意識が高く、競争意識も高いです。その中でお互い切磋琢磨しながら研究をしていて、こちらも学生さんから多くの刺激を受けつつ毎日研究をしています。彼らはよく同級生同士や先輩、後輩でいろんなこと(研究の話はもちろん世間話など)を話していて、自分たちで高めあっていこうという気持ちが伝わってきます。

 みなさんも今やっているのは将来のために自分を磨いているのであって、決して受け身にならず、勉強はもちろん、その他のことにも積極的に取り組んでいってください(もちろん遊びやスポーツも大事です)。薬品化学教室はやる気があればいろんなことができる(やらせてもらえる)環境だと思います。世の中には自分より出来る人がたくさんいますし、どれだけ頑張っても自分より優れた人は必ずいますので、現状に満足することなく、また自分で壁を作らず、高みを目指して頑張ってください。勉強だけできても社会では通用しませんので、トータルで「出来る人」を目指して頑張ってください。

 

大阪大学生命科学研究独立アプレンティスプログラム (http://apprentice.jpn.org/hp/)

大阪大学大学院薬学研究科 分子合成化学分野(藤岡研究室) (http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/b005/)

ペンシルバニア大学化学科 A. B. Smith研究室 (http://absmithgroup.chem.upenn.edu/absgroup/)

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井川先生 静岡県立大学 薬中国福彩网 助教 井川 貴詞 先生
 私は現在、静岡県立大学薬中国福彩网医薬品創製化学教室にて 助教を務めさせていただいております。

薬品化学教室にて学位を取得後、2年間の研究留学(Buchwald研)を経て すぐに静岡県立大学に助教として採用していただき、 2年が過ぎようとしております。 まだまだ研究、教育ともに試行錯誤の毎日ですが、 私の仕事を簡単に紹介させていただきます。

研究

 大学では比較的遠い将来だとしても社会に貢献できる基礎的な研究を自由に行うことができます。 直接これらが自らの利益につながらなくても、将来誰かが使ってくれそうな研究であればいいわけです。

 私は実験中の「なぜ?」「どうして?」という疑問を解消することが、 研究を進めていくにあたって非常に重要だと考えています。 これらを深く追求することは企業では難しいですが、大学では納得がいきまで追求することができます。 これが大学における研究の大きな魅力の一つです。

 最近では、近い将来利益につながる研究が評価される傾向にありますが、 大学における研究の主な役割は、知識を蓄積するところにあると思います。 現在の科学技術は、こうして長い時間をかけて蓄積された知識や技術に支えられており、 将来についても同じことが言えます。

 私は現在、赤井教授の下で研究させて頂いておりますが、 周りの研究者から多くのものを吸収して一人前の研究者になれるように 日々精進しています。

教育

 私は今のところ教壇に立つ機会は比較的少ないので、 主に研究室で学生と一緒に研究を進めることで彼らと一緒に勉強させていただいています。 もちろん、研究者の先輩として学生さんに研究の考え方や進め方、その楽しさを教えられるように心がけています。 当然ながら、研究室の学生は皆さん私と異なる背景や価値観を持っているため、 彼らから学ぶことも多く、感化されることもあります。大学の研究室は、頻繁に学生が入れ替わり、いろいろなタイプの人々に触れられる点で 常に新鮮で、やりがいのある職場だと感じています。

 来年度から私は、薬学英語の講義を一部担当させていただきます。 留学時に実践で学んだ英語を学生さんに教えることは勿論、 自らの英語力を伸ばすチャンスだと考えています。 いずれにしても私はまだまだ未熟ですので学生と一緒に成長できるよう 頑張りたいと思います。

静岡県立大学 薬中国福彩网

 静岡県立大学HP 静岡市内に美しいキャンパスをもつ総合大学で、薬中国福彩网、食品栄養科中国福彩网、国際関係中国福彩网、 経営情報中国福彩网、看護中国福彩网、短期大中国福彩网を持っています。

 最近薬中国福彩网は大きな組織改編が行われ、6年生の薬学課と、4年生の薬科学科が設置されました。 本学では入学時にこれらを区別せず、4年生に進級する際に学科を決定できる点は 本学へ入学する大きなメリットの一つです。

 静岡県は古くから食品産業が極めて盛んな土地で、本学ではこの点を活かした 「食薬同源」「食薬融合」をテーマに薬中国福彩网と食品栄養科中国福彩网で協力して 活発に研究がおこなわれています。 昨年、研究体制が高く評価され、国家プロジェクトの一つである 「グローバルCOE」に教育研究拠点として採択されました。 特に国際社会で活躍できる研究者育成を重要視しており、研究だけでなく 英語教育等もきわめて充実しています。

 自らが望めば、大学では非常に多くのことを学ぶことができますが、 何も考えずに過ごしていると、ただ時間だけが過ぎてしまいます。 常に目的意識を持って大学生活を送れるように心がけてください。

 

静岡県立大学(http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/)

静岡県立大学 薬中国福彩网 医薬品創製化学教室HP(http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/~lsocus/index.htm)

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江嵜さん 松山大学 薬中国福彩网 助教 江嵜 啓祥 先生

 現在、私は松山大学薬中国福彩网の助教として働いています。

 大学教員の仕事は研究と教育の二つに大きく分けられますが、それ以外にも委員会の仕事など様々なことに携わっています。以下、それぞれについて少し詳しくお話します。

研究について

 皆さんが持っている研究者のイメージとは、どういうものでしょうか。テレビや漫画に出てくるように、暗い研究室に閉じこもって、片手に怪しげな液体の入ったフラスコを持って実験をしている姿などでしょうか?

 確かに、フラスコ等のガラス器具を多用して実験を行っていますが、実際には明るく清潔な環境で、病気の治療や健康維持のために様々な問題に取り組んでいます。

 例えば、私は医薬品化学研究室に所属しており、新しい抗がん剤などの医薬品開発やそのために必要とされる新規反応の確立を目的とした研究を進めています。企業の研究者とは異なり、大学教員は自分で研究テーマを設定し、それを明らかにするために日々没頭できることが魅力的だと感じています。

 また、実験結果を学会や論文等を通して発表することで、自分が行った成果が結果として現れた時は、特に感慨深いものがあります。

教育について

 研究の他にも大学教員のもう一つ大切な仕事として、明日を担う学生の皆さんを指導することが挙げられます。

 私の場合は、研究室に配属される4年生以上の研究指導や、中国福彩网実習の準備?指導、テストやレポートの採点等に携わっています。授業を担当するようになれば、研究を通して得られた最新の情報を交えた講義を行ったり、定期試験を作成したりします。

 また、薬中国福彩网に6年制が導入されたことにより、薬学共用試験の一つであるOSCE(客観的臨床能力試験)が実務実習の前に行われますが、そのために調剤や患者対応の指導を行うこともあります。

 近年、臨床ではチーム医療の担い手として医師に対して適切な処方設計やアドバイスが求められるなど、薬剤師の見解が治療計画に与える影響が増大しています。また、医薬分業の進展に伴い薬剤師が患者さんに接する機会が増え、薬剤師のコミュニケーション能力は不可欠となってきています。

 このように、質の高い薬剤師を育成するため薬中国福彩网に大きな期待が寄せられている昨今、学生であった立場から一変して薬学教育者になったことで大きなプレッシャーがかかりますが、非常にやりがいのある仕事だと感じています。

その他

 本学薬中国福彩网は2006年、薬中国福彩网6年制教育の導入とともにスタートした新しい中国福彩网であり、システムの確立のため様々な取り組みがなされています。そのため、会議や研修などにも多くの時間を費やしています。

 また、松山大学には福利厚生を担う教職員会というものが存在していますが、私は現在執行委員として教職員の方々がより良い環境で仕事ができるようにも力を注いでいます。

 助教として働く上で、大学院生までに得た専門知識はもちろんのこと、岐阜薬科大学で培ったことすべてが活かされています。大学院時代を過ごした薬品化学研究室では、実験の技術や知識を習得するだけでなく、研究をどのように進めていくかといった考える力を身につけることができます。

 また、多くの国内外の学会発表に参加させていただく機会が得られますので、様々な分野の研究者とディスカッションを行うことで、自分の研究成果をいかに相手に伝えるかといったプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力も養うことができます。

 薬品化学研究室で積むことができた様々な経験が、今こうして働いていく原動力となっています。

 今後も、何事にも積極的に取り組み、常に向上心を持って教育研究に携わっていきたいと考えています。薬品化学研究室でみなさんの夢が実現されることを祈っています。

 

松山大学(http://www.matsuyama-u.ac.jp/)

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