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アルキルアミン類は生物活性を有するものが多いため、その効率的合成法の開発は有機合成化学において重要な課題の1つです。
当研究室では、種々のニトリルをアルキル化剤とした接触還元条件下における選択的1級、2級及び3級アミン類合成の反応条件を検討しています。 本法は従来のアルキルアミン合成法と異なって、
1) オーバーアルキレーションが進行しない
2)無機塩が副生しない
3) 再利用可能な不均一系触媒の10%Pd/Cを用いる
4) 室温下で反応が進行する
5) 溶媒として安価なメタノールを用いる
等、多くの利点を有しており、近年注目されるグリーンケミストリーの観点からも有用な手法であると言えます。
Sonogashiraカップリング反応はPd触媒存在下、アリールあるいはビニルハライドと末端アルキンをクロスカップリングさせ、新しい炭素-炭素結合を形成する有用な反応です。 従来法ではヨウ化銅によるアルキンの二量化、アミンやホスフィンリガンド等の有機物の使用、そして均一系Pd触媒使用による生成物への残留Pdや触媒の回収?再利用の問題など克服すべき多くの課題を有しているため、工業的適用に困難を伴っています。
そこで私たちは工業的適用を視野に入れ、不均一系Pd触媒であるPd/Cに着目してPd/Cを触媒としたヨウ化銅、アミン、リガンドフリーSonogashiraカップリング反応の開発を現在行っています。